ゆるりひとりっ子育児~時々ハーブ~

40代主婦。ひとりっ子の息子の育児とハーブなどの植物の事を書いてます。こちらのブログはアフィリエイト広告を利用しています。

迷いに迷って決めた起業、そこから見えた自分というもの

去年の秋、うちの近くのとある教室の先生が辞める事となったので、その教室を引き継がないかというお話を頂きました。
正確には、今の教室は閉鎖するので自分の教室として新しく開室し、現在通われている生徒さんを新しい教室で引き受けるという形でした。

開室するということは、起業をするということ。
それはそれまでの私にとっては未知の世界でした。

教室の内容は興味のある分野ではあるものの、元々自分に自信の無い私には教室運営など恐怖で精神的に耐えられないという気持ちが大きかったのですが、一方でやってみたいという気持ちもわずかにありました。

SNSなどで目にする、起業して活躍されている女性に憧れていたのかもしれません。

ひとまず詳しく説明を聞き、気になる事は細かく確認、試験を受け合格を頂き、後日教室を見学してから決断という事になりました。

挑戦してみたい気持ちと恐い気持ちの両方で揺れる中、夫は「こんなチャンスなかなか無いよ。やるべきだと思うよ。絶対に向いてるよ。」と私の背中を押します。

私も、少ししていたパートの仕事を辞めるタイミングでこの話がきて、場所も近く、これは運命的な出来事なのだ、とこの話を捉える様になりました。

教室の親会社は有名企業なので、詐欺という事も無いだろうと… また、引き継ぐ生徒さんの人数が多く、少しの期間で、開室準備費用分を差し引いても利益が出る算段なのは気持ちを前向きにさせてくれました。


引き継ぎまでは時間が無く、決断は一日でも早い方が良い状態でした。教室見学後、かなりの不安材料はありましたが、最終的に「やらないと後悔する」という思いに至り、起業を決意しました。

そこからは、契約、研修、事務手続きなどの開室準備をし、実際に引き継ぎの為に教室に入り少しずつ指導の練習もしました。
家では指導内容についての勉強が山の様にあり、必死で取り組みました。

とにかく、引き継ぎに間に合う様にしなければいけないとの思いで、これまでの人生で一番頑張った期間となりました。
思えばこの時はやる気に満ち溢れていた気がします。



ですが、実際に引き継ぎや研修が進むにつれ、私の中で様々な葛藤が起こる様になりました。

教室の状態が、聞いていた状態とことごとく違う…
少し違うというのであれば仕方ない事と納得できるのですが、あまりにも違う…
聞いていた話しを信用して決めただけに、そのダメージは大きく、不満に思いましたが、「こういうものなのかな」と自分に思い込ませました。

もう一つは、月に1~2回行われる研修会で何度も聞かされるセールストーク、「この様にお話して入会につなげましょう」という話を聞く度に違和感を感じ、気持ちが冷めて行きました。

そして段々と、自分が世間知らずだったこと、そしてこの仕事を選んだのは肩書きが欲しかったからだ、という事に気が付いていきました。


しかし、やると決めたからには生徒さんに迷惑をかけるわけにはいきません。折れそうな気持ちをたて直し、家族にもたくさん協力してもらい、無事に開室、教室運営も順調に行きました。
順調というのはある意味当然だったかもしれません。前の先生は生徒さんの融通がきく様に教室を運営されていたので、私も同じ様にしたからです。生徒さんの融通がきく状態というのは、こちらには負担の多い状態となります。

それもジワジワとストレスになっていきました。



そして、数カ月が経ち、私は「このままでは精神的に参ってしまう」と思い、辞めることを決めました。 すぐに辞めてしまうことを恥ずかしくも思いましたが、意地で続ける気力も無い状態となっていました。
また、実際に教室をやってみて、肩書きや起業がどうのという見方に関して何も思わなくなっていました。

私は何に対して羨ましいと思っていたんだろう?
好きな事を仕事にしている人たち?
「すごい」と言われる地位や肩書きを持ってる人たち?
子育てしながら、色んな活動を行ってるママたち?
目立ってる人?

自分が無知で思慮が浅い事を思い知らされる気持ちでした。

そして、自分の大切にしている事や思い、それらを軸に生きて行きたいと思う様になりました。



私はこのブログでハーブや植物が好きだと書いていますが、教室を始める時に、忙しくなるから植物療法の勉強も畑もやめた方が良いかな?と思っていました。
しかし、忙しいからこそハーブなどの植物に触れることが私には必要で、どれだけ自分を助けてくれるか今回の事で実感しました。
そして、自分の気持ちに正直に、将来は植物療法に関わる事をしていきたいという夢を持つこともできました。

また、子供と過ごす時間、これが私にとってどれだけ大事かという事も分かりました。あと数年もすれば息子も親離れをするでしょう。でもこの'あと数年'がどれだけ大事な時間か。私にとっては優先するべき時間なのです。



半年で、教室を辞める事となり、結果的に周りに迷惑や心配をかけ、最後は自分も体調を崩し、「やってみて後悔」になってしまいましたが、「やらずに後悔」よりはこれからの人生において良かったのかもしれません。

迷いに迷った時期、実際に経験した期間、辞める時、様々な自分の気持ちや感情に気が付きました。
途中、やさぐれた気持ちになった事もありますが、
結果的に、自分というものを前向きに考える様になりました。
「誰かの様になりたい。でもなれない」ずっとこのモヤモヤした気持ちでいたのが、「私は私で良い。私には私の役割りがある。」と素直に思える様になったのです。

昨日、新しい先生への教室の引き継ぎが完了しました。辞めると決めてからの3ヶ月、教室の状態の改善など、できる限りの事はしたつもりです。
半年間続けて通って下さった生徒さん、新しい先生には感謝の気持ちでいっぱいです。

決断した時にイメージしていたのとは違う結末になりましたが、この半年間の経験でこれからの自分の人生の軸となる部分を探り出すことができたと思っています。



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